Ondulatoire Ondulatoire

Kotaro Nukaga Roppongi
六本木

Kotaro Nukaga Roppongi
六本木

今回の作品の主要モチーフとなっているのは、20世紀を代表する建築家ル・コルビジュエが設計したラ・トゥーレット修道院(フランス・リヨン、1960年竣工)の開口部。コルビジュエの弟子であり、数学者・作曲家でもあったヤニス・クセナキスがデザインしたことで知られるこの開口部のルーバーは、数学的秩序に基づいて設えられた不均一な間隔の垂直材によって、彼が「オンデュラトワール(波状)」と呼んだ独特のリズムを備えています。

彼らが生み出したもうひとつの「オンデュラトワール」である「チャンディーガル美術大学」(インド、1965年竣工)も合わせ、その室内に生まれる光の揺らぎを捉えた今回の作品は、音楽の立体化としての建築空間、そして視覚イメージの立体化としての写真プリントという存在について重層的に再考させる試み。